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  「美味い」「不味い」「まあまあ」

 という判断は、理屈ではなくて、感覚なんじゃよね。

 自分の舌と脳の感覚の中にある「美味い!」という
 琴線に触れて、あとで「理屈」が付いてくるんじゃよ。

 料理が「美味い」か、「不味い」かというのは、

 ?子どもの頃に慣れ親しんだ、「家庭や外食の味」
 
 ⇒大人になっても、その味を忘れていないし、
  その味の記憶が蘇り、昔のイメージと重なる
  と「懐かしさ」をおぼえて、さらに美味しく
  感じる。

 ?大人になって味わって身につけた、「後天的な味」

 ⇒子どもの時に飲んでいない、食べていなくても、
  大きくなってから飲んだり、食べたりした料理など、
  最初は「美味い!」と感じなくても、何回も飲んだり、
  食べたりしたりしているうちに「あ!案外美味いじゃないか!」と
  感じれる「転換点」がやってくる時がある。

 ◎ワシは最初「トマト・ジュース」がそうだったな。

  最初に一口飲んで、(何だ。この不味さは。)と感じて吐き出した。

  しかしそれから数回飲んでいるうちに、ある日「あ!美味いな。」
  というふうに変わった。

  たとえば、今の若いベトナム人たちも、子どもの時に「サシミ」や「スシ」
  など食べたことのない人たちがほとんどだろう。

  だから、ベトナム人は最初はまず食べられない。サシミなど一口噛んだら
  もう食べない。トイレで吐き出す女性もおる。

  でも何回か食べているうちに、「あ!案外美味いわー!」と味覚が変わり、
  それから好物になってゆく。

  日本に行った経験のあるベトナム人は、

  「サシミ」「スシ」⇒最初は全然ダメ。でもベトナムに帰った時には、
            大好物!

  ・・・そういう体験をみんな、共通の経験として持っているようだ。
  
  だから、今サイゴンにある「SUSHI BAR」は、日本人よりも、そういうふうに
  後天的に「スシ」の美味さをおぼえた、ベトナム人のお客さんのほうが多
  いもんな。

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 あのエビを発酵させた調味料は苦手。
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 これも同じ理屈だな。「マン・トム」と呼ばれるこの調味料
 を嫌う日本人は多い。しかし、何回も味わっていくうちに、
 「あ、案外美味いな!」と味覚が転換する瞬間が必ず来る。

 ワシの場合は、最初の一口目からOKだった。

 最初に一口味わって、「あ、これは美味い!」と感じた。

 それ以来、揚げ豆腐にはこの「マン・トム」を付けて食べないと、
 「美味い!」と思わんようになったぞえ。