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エマニエル 2006年10月18日 20:45
人に読ませる文章のコツ。
徹底的に自分を殺すこと。
おっと、首をつる前に最後まで読んでください。
「殺す」というのは自分を出さずに「客観化」するということです。
こうイメージしてください。

自分の頭の上の高いところに、自分から独立した「目」があり、その目で周りを眺めて、目に語らせる。当然、自分自身も「目」の観察対象になるわけです。
この目は、冷静で客観的で、公正な性格でなければなりません。
自分が感動したこと、怒り狂ったこと、ほのぼのとしたこと、すべてはいったん
「目」に送り、彼のフィルターを通した上で文章にしてみましょう。

つまり「一人称」の文章は読む人を引かせるので、自分を出さず、とことん客観化するということ。優秀なコメディアンは、まじめな顔をして面白いことを言う。笑いながらジョークを言ったら観客は白けてしまう。そういうことです。
特に旅行直後は興奮していて、それが文章にそのまま反映されるので、出版されている旅行記でも、読むに耐えないものはたくさんあります。ほとんどが自慢話とカタルシスで終わってる。

もちろん、冷静で客観的なだけでは面白みに欠けるので、控えめな自己主張や独断、偏見を、ほんのちょっぴり控えめにまぶすと変化がでて面白い。刺身のわさびみたいなものですね。わさびがメインの料理はあり得ない。

文章の書き方については、本多勝一の「日本語の作文技術」を薦めます。本多自身はちょっとアレだけど、この本は文句なしに参考になる。朝日新聞から文庫で出ているので、さがしてみてください。書く上での心構えから純粋な技術まで、実に詳細に具体的に解説してあります。文章は数学なんだと学んだのもこの本でした。

にんじんさんのレポートは昼休みと夜の楽しみになっているので、がんばって続けてほしいな。ただ、キーボードを打つ前に深呼吸して、心を落ち着かせて読む人の顔を想像しながら書いてみてください。楽しみにしています。

あ、それと、100のことを20くらいに凝縮すると中身のある文章になるよ。100のことを100書いてしまうと薄くなってしまう。ネタがあっても書かずにひっそりとどこかに潜ませるというのも大切なことです。

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