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[特集]
ホーチミン市:2階建てバスが大好評
2006/01/27 07:11 JST更新

 ホーチミン市で2台の2階建てバスの運行(チョロンバスターミナル〜農林大学区間)が開始されて1ヶ月半が経過した。バスの高さは4.18メートルで、2階も1階同様、椅子が並列されており、とても清潔、バス内はエアコンが効き快適だ。乗客が景色を眺めるだけでなく、通行人も立ち止まってバスを見上げる光景はとても愉快である。

 この日初めて2階建てバスを利用した大学生は、「2階からの眺めは、いつもと違って、とても魅力的だ」と話す。2階建てバスは、予想以上に大好評を得ているようだ。2階建てバスでは、他のバスと違って2階の乗客にも聞こえるように、乗務員がマイクを使って到着を知らせたり、「2階のお客様は階段昇降時、転倒にご注意ください」「車酔いをされたお客様は乗務員にお知らせください。ビニール袋の用意がございます」と声掛けサービスを行ったりしていることも、人気の1つの要因といえよう。

 しかしながら、2階建てバスも問題が無いわけではない。2階建てバスの運行区間で、運転を慎重にならざるを得ない箇所がある。ダン・ヴァン・ビ通り(トゥードック区)では、道路に穴が開いているわけではないのだが、下水道工事で掘られた工事跡があったり、路面がでこぼこしていたりして、バスは大きく上下に揺れる。運転手は、2階の乗客が揺さぶられないよう、減速して走行せざるを得ないという。

 2階建てバスの運行には、まだインフラ整備が不十分なのだ。2階建てバスが発着するチョロンバスターミナルは、2階建てバスにとっては、非常に狭い。やっとの思いで、道路に出たときは、まるで網から解かれたような解放感があるくらいだ。一方、農林大学の停留所近くでは、急な坂を上らねばならないため、非常に不安定な運転を強いられる。また同停留所は、草が生い茂り、ごみが散乱した状態で、全く手入れがされていない。屋根もなく、学生たちは、強い日差しや大雨の中、バスを待たなければならないのが現状だ。
 
 ホーチミン市運輸連合会長、フン・ダン・ハイ氏は、「2階建てバスの人気に、多くの企業が注目しているが、金利優遇措置や、銀行貸付、入札などについて、国家規定が設けられていないことは、参入を希望する企業にとっては不安材料だ。現在、2階建てバスの車庫や点検に関する規定も定められていない。今後2階建てバスの運行を発展させるならば、このような問題は大問題である。」と話す。同連合は、先日、ホーチミン市人民委員会に、市バス整備に投資を呼び込むための草案を提出したばかりとのことだ。

[2006.1.11 Tuoi Tre紙]