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ベトナムはケーブルだけでなく、映画館も充実していますよ。日本だと1,500円、アメリカでも7〜8ドルはする最新映画が60,000ドンで見られるのですから、映画天国と言えるでしょう。私が行くのはギャラクシー・グエン・ユー(1区)ギャラクシー・タン・ビン(タン・ビン区)、メガスター・フン・ブン(5区)くらいですが、グエン・ユーの画面が少し小さいのを除けば、画質・音響ともに世界水準でしょう。(グエン・ユーも、グロリア・ジーンが中にあって上映開始までの時間を過ごすのに便利だしアパートから近いので捨て難い)

今週は、「ジ・アザー・ガイズ」(グエン・ユー)と「ウォール・ストリート2」(タン・ビン)を観ましたが、前者は5割、後者は私を除く全員がベトナム人でしたよ(少なくとも見かけ上は)。若い世代を中心に劇場で映画を鑑賞する習慣が出てきているように思います。
ベトナム映画も結構水準が高く、先日観た「デー・マイ・ティン」というコメディーは、脚本、演技、撮影、全ての面でハリウッドの水準に達していました。(モーベンピック・サイゴン・ハノイ、シャラトン・ニャチャンとの露骨なタイアップには少々辟易しましたが。)

唯一困るのが、本編が終わってエンドロールが始まるとほとんどの観客が席を立ってしまい、あまつさえ係員が掃除を始めるので、落ち着いて最後まで鑑賞することができないことです。ギャラクシー・タン・ビンにいたっては、エンディング・クレジットの途中で映写を止めてしまう体たらく。(おかげでウォール・ストリート(オリジナル)で主演していたチャーリー・シーンがカメオ出演していたようだが本当に本人だったのか、確認できなかったじゃないか)

本当にベトナム人は、ハリウッド・スターには関心がなく、またこの映画がどこのロケ地で撮影され、使われていた音楽が何だったのか、といったことに興味がわかないのでしょうか?不思議です。(日本でも 林真理子氏が週刊文春連載のエッセイの中で「どうしてみんなは本編が終わった後ですぐ席を立たないのか?」と疑問を呈しておられ、そういうことに関心がない人もいるということは知っていたのですが、そういう人が大部分を占める社会というのはどんな社会なのか?と疑問に思うわけです。)

ベトナムで演劇を見に行ったことはありませんが、カーテン・コールといったものも当地では成立しないのでしょうね? 夢から覚まさないでほしい、ということなのかな。

あと、携帯電話は最新テクノロジーとしてベトナム人に崇拝されているらしく、会議の最中でも何でも着信音が鳴ると皆得意げに出て話し始めますが、映画館では遠慮してほしいですね。できれば着信音も鳴らないようにしてほしいものです。メールも携帯の画面が光って鑑賞の妨げになるので止めてほしいのですが、技術に対応した文化が発展する時間がないまま最新テクノロジーだけがどっと入ってきたので しょうがないのでしょうね。箱モノが立派なだけにちょっと残念です。